2003-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「今週の日曜日の銭湯はリンゴ風呂だそうな」と、話していて、クリスチャンだったことを思い出した。なんのことはない、日曜日は週の七日めだとするぼくと、日曜日は週の一日めだとする彼の間で、会話がいくらか混乱したのだった。それから、ぼくはさらに思…

矢作俊彦『ららら科學の子』について。メモのみ。後日、まとめる予定。 身体性について、良く考えてみる。ぼくは、主人公が歳を取ったことに関して、どのように解釈しているのか。 立ち読みだけですませた『文學界』と『すばる』を購入する。その際、くじら…

昨日の「にも関わらず」、ワケ判んない。もうすこし頭の良い文章が書けるようになりたい。くすん。団塊の世代と(比喩的な意味で)現実に殴り合ってると、矢作俊彦はかなりマシなほうっていうか、素晴らしく見える。逆に言うと、矢作俊彦がダメに見えるって…

正しく敗北するということについて。結局、ニッポンのお父さんたちが正しく敗北できなかった。一九四五年に、一九七〇年に、お父さんたちは敗北の感覚を我が物とすることさえできず、その後の長い年月を、だらだらと「戦争体験」を語ることに費やしてきた。…

ぼくもいくらか引用する。 ツンドラで凍ったマンモスみたいだと、志垣は言った。freeze. 傑は言った。瞬間解凍しているわけですね。 では、凍っていなかった俺はどうなるのだろう。三十年を莫賓で過ごした俺は、解凍された俺に呑み込まれてしまうのか。まさ…

ひきこもりのぼくたちが正しく敗北するためには『池袋ウエストゲートパーク』の最新刊を読むと良いんだってさ。

素直にうらやましい、と、思う。敵を敵とすることなく、生きてくることができたならば、生きていくことができるならば、とても幸福だろう。いやはや、一九五〇年ごろに生まれた作家の本を読みあさり、彼らの世代と闘わずに生きられなかったぼくとしては。 id…

解答しちゃおうと思ったけど、判りやすくて美しい説明が思いつかないゾ。 http://flurry.hp.infoseek.co.jp/200311.html#25_1 A,B,C,Dと書かれた4枚のカードがあるとします。これで、何通りの組み合わせが作れるでしょう? 答えは4×3×2×1の 24通りです(高校…

ずるいよなあ、と、ぼくはぼくのことを思う。ここのところ自分のずるさを眼にする機会が多くて、ぼくは唇に指先を当てて、しばし口をつぐむ。とりあえず、反省はした。十代のころの悪事とか、二十代のころの悪事とか、いろいろ反省はした。反省はしたけど、…

言葉の無限後退は、言葉が示すものの比較可能性(あるいは交換可能性)と不可分ではないと、ぼくは思う。それは、ぼくが貨幣や身体性にこだわりつづけている理由でもある。結局、ぼくたちが生きている世界では、AとBのどちらが好きかを絶えず選択しつづけ…

ステージでモーニング娘。を唄っている集団がいて、シミュラークルであることを目指した彼女たちに対して、団扇を振っているオタクがいて、ぼくは深く溜息をついた。息は白く初冬の空気に溶けて、ぼくは、街をほっつきまわるには薄着すぎる自分に気づいた。…

ぼくの言葉が信用ならないだなんて、そんな戯言は聞き厭きた。ここには嘘しかないと、繰り返したはずだ。女のコに「あなたの言うことは信じられない」となじられるたびに繰り返してきた。だけど、堆積した嘘は、いつか真実になるとぼくはまだ信じている。ぼ…

consume と cosme(tic) は、字面が似ていると思った。

ぼくたちはいつだって、厳密なルールに従って生きている。「『ノルウェイの森』を読んだ者は、信用できない人間である」、ぼくはきっぱりはっきり告げた。「ねえ、だけど、いちどそうしてしまったら、それはもう、払拭できないのかな?」と彼は訊いた。「で…

そして、ひとつの引用について。 http://flurry.hp.infoseek.co.jp/200311.html#10_4 ねえ、どうして、と、ぼくはささやき声を大声でどなろう。ねえ、どうして、泣けてしまうの? この問いかけは、ひどく意地悪く聞こえるかもしれない。けれども、ぼくには純…

id:flurry 氏の日記を読んで思ったこと。とりあえず並べられた引用に、とりあえず言葉を続けていく。 http://flurry.hp.infoseek.co.jp/200311.html#14_2 http://flurry.hp.infoseek.co.jp/200311.html#14_4 http://flurry.hp.infoseek.co.jp/200311.html#14…

「純文学を読んでいたらモテるのか?」難しい問題だ。とても、難しい問題だ。結論から言おう。モテるための努力として、それは適応的な行動ではない。それよりもテニスがうまくなって、手取り脚取り女のコに教えるほうが合目的だ。もしも、純文学を読むので…

血のしたたるステーキを食べながら、右手に持ったナイフをくるくる回して、隣のテーブルをちらりと見て、ぼくたちは圧し殺した声で話した。「日本人形みたいでかわいいよね」「うん、そんな感じ。で、ブルドッグみたいでかわいい?」「うん、かわいいかわい…

オッケー、マイフレンズ、たぶん、二十二日。またしても、あの場所で。別になにかを見つけたいわけじゃないよ。ただすこし話をしてみたいだけ。ぼくはまた、かわいい真ッ赤なカバンを抱えていくよ。相応に歳を取った(はずの)きみたちに今一度出会うため、…

春にミキタ(id:omo)氏にお会いしたとき、酔っぱらったぼくは、クラブの喧騒のなか、「少女になりたかったんです」と叫んだ。叫ばれたほうも困惑しただろうと思う。なにしろ、ほとんど初対面に近かったのだ。ぼくたちは arai 氏に連れられて出かけた新宿二…

有休を取って、放りっぱなしだった雑用をかたづける。洗濯機をまわしながら掃除機をかけていると、同居人が帰ってくる。ぼくが口を開く前に、彼は「風邪を引いた」と告げて、煎餅布団に倒れこんだ。ぼくは掃除機を片づけ、彼に具合を訊いた。弱々しい咳がそ…

ベンチャーキャピタルの人間と話をしながら考えたこと。現実が殴りつけてきたら、選択肢はいくつかある。 もっと強い現実で殴りかえす。 もっと強い虚構で殴りかえす。 殴られたままでいる。 殴られる前に逃げる。 にやにや嗤う。 にやにや嗤うのにはもう厭…

ぼくは教科書に隠した文庫本を読みながら、神父様の話を聞いていた。ペルーでもっとも有名な家のひとつに生まれ、大学で数学を修め、神学校に行って神父になったそのひとは、ぼくの通っていた高校で技術の教師をしていた。神父様は、自由さについて話をして…

家出していた同居人がちらりと顔を見せた。ひとことふたこと、言葉をかわす。始発の電車で彼はまた旅だっていった。ぼくは顎を引き、片眉を歪ませて、彼を見送った。

くだんの雑誌を購入。『メタフィジカル・マルチまがい』滝本竜彦。あらかじめ失われているものを、ぼくたちはどうして失いつづけなければならないんだろう。それにしても、このタイトルはいいね。とてもいい。

雨がやんだ後の冷たくやさしい空気がぼくを包んだ。こんな時間に電話する相手はなく、しかたないから同じフロアの顔見知りとしばし話をする。

冷たい雨が降っているから、仕事場ですごす日曜日のはじまり。珈琲豆が切れたので、ティーパックの紅茶をすすりながら。ひびわれた唇にしみこんでいくダージリンの匂い。ひびわれていたのは、もしかしたらくちびるだけではないのかもしれない。

選択を迫られたときに、「○○でいい」ではなく、「○○がいい」と応えるように教えたのは母だった。それは、母の二番めの教えだった(一番めの教えは、「上着は壁のハンガーではなく、椅子の背にかけておきなさい。いつでも亡命できるように」)。ぼくが生まれ…

イデオローグは中島みゆきを聴くものだ。悪いイデオローグは特に。他意はない。 幸せになる道には二つある 一つめは願いごとうまく叶うこと幸せになる道には二つある もう一つは願いなんか捨ててしまうことせんないね せんないね どちらもぜいたくねせんない…

滝本竜彦オンリー本『ゲーム脳』

新月お茶の会は、明日11月16日(日)のコミティア66に、本誌月猫通りの別冊として、滝本竜彦オンリー本『ゲーム脳』を出展します。→情報