「純文学を読んでいたらモテるのか?」難しい問題だ。とても、難しい問題だ。

結論から言おう。モテるための努力として、それは適応的な行動ではない。それよりもテニスがうまくなって、手取り脚取り女のコに教えるほうが合目的だ。もしも、純文学を読むのであれば、そこに外的な目的を置くべきではない。そこにあって許容されるのは内的な目的、読まなければ死んでしまうから読む、といった行動だけだ。

にもかかわらず、もしもキミが、純文学好きな(あるいはそれを自称する)女のコを口説きたいならば、そのコの好きな作家の作品を全部読む必要はない。その作品を読んだことがある誰かを探しだして、あらすじを聞き、一番印象的な場面を二つ三つレクチャーしてもらえばいい。後は、女のコの言うことに適当に相槌を打ちながら、「ぼくはあのシーンが好きなんだよね」とか言えばそれで充分だ。これならまあ、適応的な行動と言えなくもない。

だから、ぼくは「モテねえよ、莫迦!」と答えた。答えてから、ぼくは不安になった。あれ、あれれ? 「ごめん、そういえば、一度だけ、モテたことがあるような気もする」続いて、同席していた id:sayuk 氏が、純文学を読んでいたがためにモテたことがあるという経験を披露した。

だから、悪かった有村(id:y_arim)、頭ごなしに切って捨ててしまって。だけど、ぼくはそうしなければ生きられなかったからこそ、そうしたんだ。そして、たまたま、それが遡及的に適応的な行動に見えてしまったかもしれない。でも、それは、再三言っている通り、世界が間違っていたんだ。早くキミがそのことに気づいてくれればいいと思う。