ずるいよなあ、と、ぼくはぼくのことを思う。ここのところ自分のずるさを眼にする機会が多くて、ぼくは唇に指先を当てて、しばし口をつぐむ。とりあえず、反省はした。十代のころの悪事とか、二十代のころの悪事とか、いろいろ反省はした。反省はしたけど、たぶん、またやると思う。ずるさって、そういうものだもん。