2004-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『太陽の塔』(asin:410464501X)読了。あわせて、『モテモテ王国』を読み直した。これに滝本竜彦を加えれば、非モテ的九〇年代を総括するのにまったく充分だ。しかし、だ。実際のところ、九〇年代はまだ良かった。俺たちは、本当の本当に、心の底から、ノス…

喫茶店『こころ』で珈琲をすすりながら、id:poji_s 氏とふたりでメンソール煙草をふかした。驚くべきことに、最近の俺は肺まで煙を吸いこまない(そんなのって信じられる?)。それに気づいたのは、顔面にパックをした状態で、煙草を喫おうとしたときだ。煙…

俺はようやく、俺の七〇年代にケリをつけた。俺の七〇年代につきあってくれた片掌よりもずいぶん少ない数の女のコたちと、片掌よりはもうすこし多い数の男のコたちに感謝を。このあとは何年か九〇年代を過ごした後、二十一世紀に突入する予定。八〇年代はス…

携帯電話が着信のメロディを鳴らし、ぼんやりした頭で会話に似た繰り言を口にする。電話の向こうで誰かが笑った。俺は自分が笑われたことに気づいた。ようやく覚醒し、なお眼を閉じたままで俺は、電話の向こう側の誰かの名前を呼んだ。名前を呼び、そして、…

明け方、DELL の旧式のメカニカルキーボード(すんごい気持ちいいやつ、最高!)に珈琲をぶちまける(通算、三度めの痛恨!)。あわててキーボードを外してもどうやら時遅く、どこかがショートしたらしい、『Y』が間断なく入力されつづける。『Y』とは、い…

目醒めは遠く、珈琲と煙草を交互に口に含み、俺は長い長い夜をやりすごした。山積みにされた仕事はいっこうに減る気配を見せず、むしろどうやら増えていく気配さえあった。iTunes はグールドのピアノを無限に再生した。俺はキーボードを叩きつづけた。腹が減…

上体を起こし、左手でリモコンを操作しながら、右手でまぶたを押すと、寝不足の眼が悲鳴をあげた。目覚まし時計が、今日は燃えるゴミの収集日だと主張していた。ぬぎちらかした上着とコートを着こみ、ゴミ袋を両手にぶらさげてよたよたと階段を下りた。くだ…

世界を理解するためでなく、敵と敵でないものを峻別するために。しかし、それとこれの間にどれほど差があったというのだろう。 そんなふうに簡単に二分できた幸福な時代はすでに終わっていて、今号の「H」は表紙がうさこちゃんだったりするのだけどね。(id:…

眠りから醒めて、寝汗に気づいた。寝汗がひく前に起きるのは、睡眠時間が短く、眠りが浅いしるしだった。そういえば、眠りが浅くなるようにブロックをかけた記憶があった。日はもう上がっていた。時計を見て思い出した。今日は月曜日だ。つまり、明日は燃え…

反芻される言葉。投げ捨てられ、風によろまき、屑布のように街路を転がっていく言葉を、俺は愛するだろう。ラベルを貼られ、日付をおしつけられ、本棚にきちんとならべられた言葉ではなく、冷たい酔いのなかになしくずしに溶けていった言葉を、俺は愛するだ…

夢を見た。ホテルのラウンジで俺は誰かと話していた。俺は告げた。思想家は痩せているべきだ。そんな科白を、ほかの場所、ほかのとき、誰かに告げたような気がした。何度も何度も、俺はそんなことを話しつづけているのだろう。夢を見ていた。夢のなかで、俺…

薄暗い時分に意識を取り戻した。鳥のさえずりをかすかに聞いた。低く男女が話す声が床をつたった。俺は上体を反らせ、枕元においた携帯電話に手を伸ばした。階下から聞こえる声はテレビの音声のようだった。ボタンを押すと液晶の画面が明々と部屋を照らした…

私的な空間が少なくても日々を生きていけるというのは良くないのではないか。共同生活もぜんぜん平気だし、どこででも寝ることができてしまう。つまり、繊細さがなく鈍感なのだ。それは同時に、壁の作り方の問題でもある。たとえば、俺はひとと話すときに二…

初湯だった。今年も一年、ひとつよろしくお願いします、と番台のおばちゃんに頭をさげた。とはいえ、今住んでいるところはそろそろ引き払うのだけれど(だって、もう、風呂なしトイレ共同のアパートに棲んでて許される歳ではないんだもん)。けれども、それ…

携帯見つかった。あけましておめでとうございます。

携帯をなくしたまま、ぼんやりと大晦日をやりすごしていたけれど、世界から切り離されたりはしなかった。十分の一の十乗パーセクくらいはジャンプしたけど、交叉時点まではまだまだ遠かった。管楽器が吐き出した音が股間を直撃して、ちょっと前かがみになり…