初湯だった。今年も一年、ひとつよろしくお願いします、と番台のおばちゃんに頭をさげた。とはいえ、今住んでいるところはそろそろ引き払うのだけれど(だって、もう、風呂なしトイレ共同のアパートに棲んでて許される歳ではないんだもん)。けれども、それが銭湯であれ呑み屋であれ、なじみの店をなくすのは愉快なものではない。これからも月に何度かは通うことになるだろう。