[文学フリマ] あたしは運命とか、 かなり信じちゃうたちだから、

 ぼくはそ奴と、いろんな話をした。
 少女マンガの話だったり、音楽の話だったり、ゲームの話だったり、化粧の話だったり、芝居の話だったりした。レッテルが貼られるよりも早く、向こう側にたどりつけると信じていた。
 そして唐突に、二十世紀が終わった。
 ぼくたちはオトナになった。あるいは、ぼくたちはオトナになれなかった。
 そして唐突に、そ奴はぼくたちの前から姿を消した。
 電話もメールもつながらなくなった。
 いろんなことがあった。
 いろんなことが充分な理由にならないと、誰に断ずることができただろう。
 だけど、ぼくたちはすこしだけ寂しい気分になった。