2005-11-04から1日間の記事一覧

[文学フリマとあんまり関係なくなってきた] 通過者たちの文体 (1)

おしなべて、ぼくの周囲にはそんな奴らしかいない。 マカオに往ってきたと告げれば、「『深夜特急』は読み直したか?」と返すような奴らだ。 高校生の時分に読んだ単行本は、実家に放ってきた。母親が買い、ぼくと(勘当された)ぼくの弟に与えた幾冊だ。『…

[文学フリマとあんまり関係なくなってきた] 通過者たちの文体 (2)

東京に出てきたばかりのぼくは、「好きな作家は?」と訊かれたら、恥ずかしそうに矢作俊彦と応えることにしていた。 きっかり十年前のことだ。 訊かれたのはたった一回、それも大学の文芸サークルの飲み会だった(驚くべきことに、ぼくはまだ、その文芸サー…