敵の名を。敵の名なら知っている。それは同時に俺の名でもあるのだから。しかし、異なっていたはずだ。なぜなら、十代だった俺ですら、そんなことはとうに判っていたし、そんなことはしなかったのだ。(幸福にも)イナカに産まれなかったというのはそういう…
死んでいったものたちに。通夜で、葬儀で、涙を流したことはない。けれども、俺の涙腺もいつか涙を流すようになるのだろうか。それでも、噛みしめた奥歯にいつか馴れていくのだろうか。同級生がまたひとり、死んだ。友達が死ななかった季節を失って、もうど…
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