「おまえが言うな」と、誰かが告げた言葉がえんえん反響する。最初に告げられたのはもちろん、俺が生まれるずっと昔のことだ。だから、母の肚にいるあいだに、既に答えは出ていた。「俺が言う」と歪ませた唇から吐き出すさ。それは「俺が殺る」と叫ぶことと同義だ。だから、俺はカビの生えた固茹でを背骨として選択した。だから、優しかろうがタフだろうが、資格なんてなしで生きてやるさと舌を出した(汚れもいらねえがそれじゃサイバーパンクだ)。