ファウスト Vol.2』といっしょに買ってきた『MEN'S NON-NO Number 214』をめくりながら、珈琲をすすった。「こんなもん、読んで許されるような歳じゃねえよな」俺はつぶやいたが、こんなもんがどちらを指しているかは判らなかった(きっと両方だろう)。まんなかあたりのギャルソンの特集がなんだかすごく合成写真っぽいことにためいきをついた。こんな写真の撮り方が流行しているのが最近なのか、俺にはよく判らなかった。それにしたって、『ファウスト』にはアニメの話なんて欠片もないのに、『MEN'S NON-NO』には『イノセンス』の記事が載っていて、世界はそんなものなのかもしれなかった。だとしても、差異はここにあると、俺はささやきつづけよう。それが最後の誠実だとしたら。