NANA』を読んでる女のコにふられたことをテキストするのが今年のモードなんだって、哥貴分が教えてくれた。「あはは、莫迦でー」って俺は笑ったけど、その週末、俺は、学生の時分につきあっていた女性とデートをして、『NANA』の話や『ハチクロ』の話をした。まったくもって、笑っている場合ではなかった。バーボンが必要だった。なぜだろう、と、問うまでもない。それはそういうものだったのだ。過去形で。あくまでも過去形で。