女のひとと別れるたびに、ぼくたちはそのひとにもらったものを全部捨てるわけで、そういうことをするぼくたちを、女のひとたちは「もったいじゃない」と言って嘲り笑うのだけれど、それはいつでもルールだった。ぼくたちにとって、ルールよりも大切なものはほかになかった。街場をうろうろするというのは、そういうことを無限に積み重ねていくことなのだから。