いきかうひとの群れをながめながら、ぼくは朝一杯めの珈琲を口にする。忘れていた。ニコチンとメンソールも、たらふく摂取している。いきかうひとの群れは、規則正しく建物のなかに消えていく。ぼくは二杯めの珈琲のために席を立ち、主義に反して砂糖とミルクを入れて呑んだ。