「個人的な戦略としては、革命家になるよりも、資本家になるために努力するほうが楽なんですよ」と彼は言った。一年以上、前の話だ。「判ってる。そんなことは重々承知だ。だからこそ、ぼくは、」とぼくは言った。けれども、続いていく言葉を口にしなかった以上、あのころのぼくは判っていなかったのだろう。