「そういや、そのころ仕事場にいたのって、真顔で好きだよとか愛してるとか告げて恥じない連中ばかりだったわね」なんてことを、お姐さんは吐きすてるように言った。俺はにやにや嗤った。若者が「はぁ、そうなんですか」と相槌を打った。「あんたも含まれてんのよ」お姐さんは俺のほうをじろりと睨んだ。俺はアメリカ人みたいに肩をすくめた。若者が間でおろおろしていたので、俺は言葉をつむいだ。「しかし、まあ、俺たちが健康的に見えるとしたら、たぶん、そのせいなのさ」そして、もういちど肩をすくめた。