仕事場の近くの銭湯を、ひさしぶりに訪れた。臨時休業の紙が戸に貼られていた。俺たちは白い息を吐き、すこし離れた銭湯を目指した。その銭湯は、第三水曜日が定休日だった。第三水曜日は今日だった。俺たちは、かなり離れた銭湯を目指した。幾々歩の向こう、煌々たる灯に気が緩んだはずみ、頬をあたたかいものが流れていった。それはすぐに冷たくなり、頬に跡を残した。