こうしてようやく、俺は秘宝館にたどりついた。入口で五百円を払い、せまいテントのなかに入った。なんというか、とてもフツーだった。感動もしなかったし、屹立もしなかった。テントを出て、煙草に火をつけた。そして、「マージナルからインポートしたものを見せられて、初手から辺境で生きている俺はどうすればいい?」と、連れもいないのに、わざわざ述懐してしまうのだった。「せめて消費されるために輸入してくれたら、なんとかしようもあるのに」とつぶやくにいたっては、病膏肓、プラダにでも行って癒されるしかなかった(あの曲面ガラス、あんまり好きじゃなかったんだけど、あれを「うろこ最終兵器」と呼んでいるページを見つけてから大好きに。なんなんだか)。

『建築ライターぽむ企画の京都★青山☆けんちく日記』